この空で起きるすべての事象。

吹き荒れる風、意思なき荒ぶる波を引き起こさせるもの。

空を引き裂く破壊の光、そして地を激しく叩く氷。

この地を飲み込まんとする天に上がる竜。

人知を超え、地形を変えるほどの大地の揺れ。

逆に、暖かな日差しと、優しい雨。

空にかかる彩の橋や、北の空に現れる神々しい絢爛。

土地は作物を豊かに実らせ、草の匂いや森の香りは優しい。

人はこの地を支配し、当然としてその営みを謳歌する。

しかし、その支配は思い込み、勘違いにすぎない。

大波に人が地に築いたものは破壊され、守るべき塁壁すら力無い。

風や力持つ光は都市の力を奪い去り、人々は翻弄される。

大地の揺れも言わずもながだ・・・。

人は地すらも支配することは出来ない。この空すらも。

全ての恩恵を自然から得ていることを知るべきだ。

自然から生かされ、自然から翻弄される。

人は自然の一部であり、自然の連鎖の一部。

自然に対する冒涜は、都市を破壊する一撃として帰結し、

傲慢無くしても大地の循環は多くの街を壊し、蹂躙する。

人を支配するのは自然であり、私達人はあまりにも無力だ。

私達に許されるのは起きた事象を、

ただ謙虚に受け入れて犠牲を少しでも少なくする努力だろう。